三日月石

高鍋藩主秋月家では、毎年殿様が尾鈴神社と都農神社に参詣されることになっていた。
ある年、殿様の一行が名貫側を渡ろうとしたところ、昨夜の雨で水かさがまして石がぬれ注意をはらって石伝いをするうちに前のかごかきが、川の中でついに足をすべらしてしまった。かごは水の中に投げだされ、殿様はずぶぬれになったのでお供の者達は色を失った。
ところが参詣を終えての帰り路に、また同じ前のかごかきが同じ場所で足をすべらしてとうとうお手討ちときまった。なにか言い残すことはないかと殿様が言われるので、「あの石はどうも不思議でなりません。どうか調べてみて下さい」と申し出た。そこで石を調べたところ、裏に三日月の形が刻まれていた。これは霊石に違いないとして社を建て、この石を祀ったのが三日月神社で、かごかきも許されたという。
この神社は、三日月の夜に参詣すれば事故にあうこともなく、またかならず命拾いをするという。
前のページ トップページ